4月18日に、エジプトのカイロ市郊外、ギザのスフィンクス前にて、「エジプトの世界遺産を守る外国人表彰式」に行ってまいりました。ほんの1ヶ月ほど前に、エジプト文化省考古最高会議(SCA)(通称エジプト考古庁)の議長ザヒ・ハワス博士から、「貴方を表彰するので、4月18日にカイロにいてください」というメールが入ってきました。あいにくこの前日に予定が入っていましたので、お断りしようと思っていたところ、カイロの事務所から、「今回の表彰はエジプト考古学者にとってはとても重要なもので、過去4回あったが外国人を表彰するのは初めてなので、何としてでも来た方がいい」という知らせがありましたので、調整して、4月17日発、20日帰国の予定をたてました。ところが、賞の名が「金メダル賞」で、エジプトの世界遺産の日に毎年行われているという以外、なかなか情報が取れませんでした。しかし、せっかく賞をくださるというのですから欠席するわけにはいきません。招待状がきましたが、当日のスケジュールが英語とアラビア語で載っているだけで、詳細はわかりませんでした。
行ってみてわかったことは、「エジプト考古学に寄与した外国人6人」に、功労賞として金メダルを授与するというもので、テル アル=ダバを発掘し続けたオーストリアのM・ビータック博士、仏のJ・ルクラン博士、独のW・カイザー博士、伊のドナドーニ博士、スペインのマリア・カルメン博士、スイスのH・ジャレツ博士と私でした。私を除くと、みな70歳以上。と言うより、私が初めてエジプトに来たとき、各国隊の隊長、またはフィールド主任だった方で、エジプトのヌビアキャンペーンで育った高名なエジプト考古学者です。全く私の入る余地はなく、この方たちの次世代のエジプト考古学者もたくさんいる中で、私が入ったのは本当に信じられません。ザヒ・ハワス博士に感謝してもしきれません。ここまで日本のエジプト考古学のレベルもきたかと、ドナドーニ博士(初めてお会いしたのは1970年でした)に褒められました。
実は、私は大したことはないのですが、弟子軍団は世界一なんです。それが評価されたのではないかと、とてもうれしいです。ここまできたら、世界一になるまでやめられません。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。