2010年1月から3月にかけて、私はお礼参りの旅を実行しています。何のお礼かと申しますと、ダイドードリンコ「日本の祭り」で取材させていただいた町に、「エジプト文明」のお話をしに行っているのです。昨年の秋に思いつきまして、今までに訪れました約100ヶ所の市町村の長の方にお手紙を書き、「今までの私のエジプト調査を陰ながら応援してくださった日本の皆さまにお礼をしたいので、すべて無料(講話料、交通費、宿泊費等)で講演させてください。直接的にはダイドードリンコ「日本の祭り」のお礼、また私のやっているサイバー大学の広報も兼ねて」と書きましたところ、60を超す自治体から「やってほしい」という返事がきました。とてもうれしかったのですが、「サイバー大学」という一私立大学の話はだめという市町村もありました。しかし、「日本の祭り」も「サイバー大学」も、両方とも地方活性化のためにやっているものですし、「エジプト考古学」を40年以上やらせていただいた日本という国へのお礼なのです。ある市長などは、「議会で突っ込まれる」、と母校の先輩なのに情けないことを言っていました。全部こちら持ちで講演をやるなんて人は、少なくとも日本にはいないはずです。向こうから頼んできたら何十万円ではきかないのに、なんて心の中でつぶやきました。
1月は、8日に眼の手術の後の抜歯があり、10日から活動開始しました。すでに池袋のオリエント博物館での「新発見!エジプト展」のトークショーが10、11日とあり、テレビCM撮影や、2010年のお祭り、そして以前から頼まれていた講演が立て続けにありましたので、実際に始めることができたのは、1月18日の薩摩川内市での講演会でした。この行脚は、2000年から始めた「吉村作治の早大エジプト発掘40年展」(全国11都市120万人以上の人が見てくださいました)と、今やっている「新発見!エジプト展」のお礼も兼ねています。そして、26日は盛岡、27日は秋田県湯沢、28日は静岡県掛川と続き、2月、3月に12ヶ所で行います。あとの市町村は日時の都合がつかなかったため、翌年度に改めて調整させていただくことにしました。
政府や評論家の先生方は、今や地方主権の時代だとおっしゃっていますが、地方に行ったことがあるのでしょうか。地方は疲弊しています。モノも金も人材もです。祭りですら、人が集まらなくなっているところは多々あります。そこへ権限を与えても、どこまでやれるか疑問です。活性化には、モチベーション(動機)が一番大切なのです。祭りを番組にすることは、とてもいい企画です。サイバー大学は完全インターネット授業ですから、地方からの人材流出を防げます。そこにいて世界一流の授業が受けられるというわけです。
大学全入時代とマスコミは言っていますが、実は、新卒の人の60%は高校卒で就職しています。それはそれでいいのですが、そういった人が働きながら大学教育を受けられるのは、eラーニングしかありません。世界中でそういう方向に向かっていますのに、日本にはありませんでした。そこで、こういう大学を作ったわけです。このことはエジプトに限らず、外国考古学をやる人には朗報なのです。発掘をしながら大学の授業を受けられるからです。そのことを知ってもらうことも、私の日本へのお礼のひとつなのです。
お礼参りなどと言いますと不吉な感じがしますが、私はまじめです。自分で、平成の吉田松陰と言っています。弟子の中から、学問の維新をしてくれる人が育てば本望です。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。