10月12日から21日までエジプトに行ってまいりました。用件は2つ。1つ目はダハシュール北遺跡の発掘調査と、その周辺の環境調査です。これは、サイバー大学の学生の実習を兼ねています。例年より少し早めに始めました。
今年は例年より暑さが早く終わり、涼しさを感じます。いつも思うのですが、ナイル川河畔を夜歩いていますと川風がとても心地いいからか、つい色々なこと、特に昔のことを思い出してしまうのはなぜだろうということです。地球環境の悪化や人口増加、交通渋滞、物価高騰、エネルギー不足、資源枯渇など、人類は今や危機的状況の中、未来を作っていかねばならないなどと、考えても何の救いにもならないことを考えさせられてしまうナイルの川風なんです。本当に、ナイル川というのは不思議な川です。すでに千万年以上もアフリカ大陸を東南から北上して流れ続けているわけですから。しかも、今見た水は2度と見ることがない刹那の永遠性のようなもので、時と同じような存在です。
2番目の目的は、第2の太陽の船の第1フェーズが終わり、第2フェーズに入ることの確認です。今や、ギザ台地の3大ピラミッドの中の一番古く一番大きい世界一のクフ王のピラミッドの南側に、長さ60m幅35m高さ10mの大テントが建っています。それは、第2の太陽の船の部材が埋葬されている、長さ30m幅5m深さ5mの大ピットがすっぽりとかぶってしまう大きさです。その中に、空調機(温度・湿度をコントロールできる最新型のもの)と、石のふたを開け中から600片以上の部材に分かれている木材片を取り上げるためのガントリー・クレーンの据え付けが終わり、考古庁の検査を受け、日本から50人近くのギャラリーの方が見に来られるところに立ち会うためでした。
第1の太陽の船博物館のすぐ西隣りに作ったこの大テントは、1日25万人近くギザ台地を訪れる観光客の関心をよんでいて、ガイドも答えられなくて困っているという苦情が考古庁に来ているそうで、テントの表面にエジプトと日本の国旗を貼り、この事業はエジプト考古庁と日本の共同プロジェクトですと書きました。電圧のコントロールが今ひとつなので、現在自家発電機で電気を作っていますが、コストとメンテナンス費用がすごくかかるので、エジプト電気供給省にかけ合っています。またトイレですが、水を使わずにすむといわれているバイオトイレを日本から持っていったのですが、エジプト人労働者の使い方が悪く、すぐに壊れてしまいました。従来型のものがいいようです。
10月7日夜の名古屋でのアクシデントによるケガが治りきらずに出発したため、眼の裏というか底が痛く、また右眼がよく見えない-焦点が取れず、ぼかし絵のように見えてしまいます-上に、右と左の眼の調整がうまくいかないからか、ものが二重三重に見えてしまい、気持ちが集中できないという困った状態でのエジプト行きでした。寝ていても、2時間以上続けて寝られないという副作用も出ています。どのくらいでよくなるのか、お医者さまでも計りきれないようです。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。