今年のラマダン月は8月20日から9月19日です。ラマダン月とは、イスラム教暦の9月をいいます。ラマダン月は、断食で世界的に有名です。この月には、すべてのイスラム教徒(10才未満の子供や妊婦、病人などを除いて)は、朝日が昇ってから夕日が沈むまで、食事はもちろんのこと、水すら飲んではならないという戒律があります。過酷なものですが、ほとんどのイスラム教徒は喜んでやります。もちろんすべてのイスラム教徒を知っているわけではありませんが、私の知っている限りの人はすべて、喜んでというか誇りを持ってやっています。
現代人のように飽食の時代に生きている人たちにとって、1年に1回、1ヶ月断食をするということは、健康によいのではないかと考えている人もいますが、1度やってみるとわかりますが、かなり苦しいものです。特に社会活動をしながらの昼間の断食は、大変さを超えた苦しさがあります。マラソンランナーは、辛くなるとドーパミンが出て苦しさが快感となると聞きますが、私の体験(1回しかしていませんが)ではそういうことにはなりませんで、ただただ我慢したということで終わりました。
もともとこの断食を、宗教という観点から捉えず、単なる形式上のことだと考えますと、ほとんどの人が耐えられないと思います。聖パウロが申されました「人の世の規則は、人が死ぬようになくなるものだ」という言葉がありますが、宗教上の規則は、少なくとも天と地がひっくり返るくらいのことがないと覆られないと思います。しかもほとんどの宗教の場合、自分の意志で入ったというより、生まれながらの場合が多いわけですから、幼児期によほどしっかりと脳に叩き込まないと、これら数多くのタブーや苦痛に耐えることはできないと思います。
ともかく、イスラム教徒のこのラマダン月の断食(サイム)にかける意気込みは、普段の彼らを見、付き合っている私には驚異です。この力(パワー)がいつどこで発せられるのか、いやすでに発せられているかもしれません。興味深いものがあります。しかし、ラマダン月の昼どきレストランに行っても、営業しているところが少ない上に、やっと探し出した店でも、品目が少なかったりサービスが悪かったり、注文したものがすごく遅く出てきたりするのです。よって、ラマダン月にイスラム圏に旅行はしないほうがいいと思います。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。