5月15日、全国で封切られる映画「天使と悪魔」の試写会に行ってきました。「ダヴィンチ・コード」のシリーズ第2作です。前作同様、歴史の中に隠された謎をひとつひとつキーワードを探りながら解明していくというものです。特に今回のものはダイナミックでテンポが良く、逆転逆転と最後まで気を抜けないものでした。私の観た映画の中でこの傾向のもの(スリルとサスペンス系のもの)ではNO.1です。しかも中身がすごい。わかる人にはわかるといった隠し言葉がいくつも入っています。もちろんそれがわからなくても映画の進行についていけます。わかる人がニヤッとすることを意識しています。そしてもうひとつ、キリスト教がわかればいいというものではなく、ユダヤ教の色が濃いのも特徴です。しかし、最も大きなテーマは宗教と科学の葛藤です。日本ではほとんど問題にされていないので、きっと大きく取り上げられないでしょうし、映画配給の当事者はこの映画をそういう捉え方をされたくないかもしれませんが、私はそういう考え方に反対です。戦後60年も経っているのに、その点を隠し続けようという勢力に悲しさを感じます。この映画のメインテーマは宗教がエンジェルなのか、科学がエンジェルなのかという点に尽きます。宗教がエンジェルならば、科学はデーモン(悪魔)となるでしょう。その反対もあり得ます。
しかし今私たちは、そういった人間が生きる本質をさて置いて、科学技術は飛躍的に進歩し、人類は幸せになったと錯覚しています。でもそれは表面的にしかすぎず、下手をすると宗教までが科学に侵食されてしまうのではないか、と考える聖職者がいてもおかしくないではないかというのが、この映画の隠された本質だと思います。2時間以上の映画は最近では流行らないと言われていますが、この映画に限っては、それが当てはまらないと思います。私は観ている間、作者や監督が描いたストーリーに翻弄され、彼らの思うツボにすっかりはまってしまっていました。しかし、それが終わってみて心地良い騙され感でした。是非皆さん観に行ってください。今の日本人に一番必要なテーマだと思います。

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