1月24日(土)に秋田に行ってきました。目的は久光製薬主催の講演会で、過去何度もやらせていただいているものです。
 今回は、モーラステープというしっぷ薬の発売20周年記念講演です。このモーラステープというのはサロンパスの兄貴分ともいえるもので、効果は抜群です。購入には整形外科の医師の処方箋が必要ですので、私は講演のときに参加されている整形外科の先生に処方していただき、もらっています。腰痛、膝などの関節痛にとてもよく効きます。エジプトでの発掘調査には欠かせないものです。
 今から5年ほど前、膝の関節を痛め困っていたときに、幸運にもこのお仕事をいただきました。その際に診察していただきモーラステープを使いましたら、関節痛が治ったのです。今でも時々無理をして痛みが出てきたときには、ストックしてあるモーラステープを両膝に貼って痛みをとっています。ですからこの講演の依頼をいつも楽しみに待っています。今年は1月に講演会ができたので、とても嬉しかったです。
 今年の冬の秋田は天候が不順で、寒かったり暖かかったり、雨だったり雪だったりそうかと思うと連日晴れたりしているそうで、私の行った24日も、午前11時頃から突然大雪になったそうです。羽田空港のカウンターでは「仙台か羽田に戻るかも知れませんが、よろしいですか?」と聞かれましたが、「嫌です。」とは言えませんのでうなずきました。何とか秋田に着陸してほしいと心の中で祈りつつ乗りましたが、産経新聞に掲載される書評を書くための本を読んでいるうちに、秋田空港に到着できました。中東では無事着陸したときには乗客は拍手をするのですが、日本人ははしたないと思うのか、そういう光景を見たことはありません。
 秋田の予想気温は-4℃と聞き、寒いだろうと、ダウンジャケット、ウールの長袖下着、股引は2着、マフラー、手袋と、完全武装で秋田へ乗り込んだので、寒くてしょうがないという感じはしませんでした。モーラステープを貼っているので、ホカロンはつけません。「雪はいいなぁ。」とタクシーの中でつぶやいたところ、「いや、雪はやっかいです。」と運転手さんに言われてしまいました。地元の方にとっては本当にそうなんでしょう。しかしよそから来ると、美しくロマンチックに見えるのです。特に雪が降ったことがないエジプトで13年暮らしたことのある私は、そう感じます。翌日帰京できないと午後の仕事に差し支えるので私もやはり困ることは困るのですが、こればかりは祈るしかありません。
 私の泊まったホテルはとてもいい温度に保たれていました。北海道もそうですが、寒い地域は部屋が暖かいです。暖かい部屋で窓から降っている雪を眺めているだけで、気持ちがいいです。
 秋田へは年に2,3度しか来ませんが、秋田を初めて訪れたときのことが今でも心に残っています。50年ほど前、高校生時代に国鉄で東北地方を一週をしたのですが、その時秋田駅でおばあさんに話しかけられました。しかし秋田弁でチンプンカンプンだったので隣りの若い女性に通訳してもらうと、「学生さん、お腹が減っているだろう。」ということで、パンとかまんじゅうをたくさんいただいたのです。今はもうそういう人はなかなかいないのでしょう。
 講演会には、大雪にもかかわらず、200名強の方が集まってくださいました。今回は秋田県の薬剤師会に所属している方が中心とのことで、私の前に行われた講演にも熱心に耳を傾けていたそうです。講演のタイトルには「―当時の文化・行政・医療から―」という副題がついていまして、主題の「古代エジプトの魅力」との関わりが若干難しいところがありましたが、エジプトの魅力には見た目の大きさとか装飾品の素晴らしさ、ミイラの謎といった表向きのものだけでなく、そういったものが作り出せる国家のポテンシャリティにあるということを文献から紐解くという形で話をしました。講演後に座長のリクエストで質問を受けましたが、質問者は座長だけでした。
 しかしその後の懇親会では、写真を一緒に撮るだけでなく質問をされる方も多くいて、皆さんの関心が深いことがわかり嬉しかったです。それもきっと、本年1月2日に放送された、エジプト・ピラミッド特番の影響があったのはないかと思います。懇親会後の食事会は、座長の社団法人秋田県薬剤師会会長の松田泰行先生の行きつけのお店「なべ勝」というところでした。食事の中心は「きりたんぽ鍋」と「ほうとう鍋」でした。嬉しかったのは、初めて「きりたんぽ鍋」を食べることができたことと、東京では食べられない、タラの生白子をポン酢で食べることができたことです。
 食事会には先生とスタッフの8名が集まって下さったのですが、質問攻めにあいまして、秋田の方がこんなにも饒舌だとは思いませんでした。もちろん質問の中には、講演の中で話したことの繰り返しや見当違いのものもありましたが(ご本人たちいわく「酔った席だから。」ということです。)、積極的にいろいろ聞くという姿勢に感心し、講演会を2度やったような気になりました。東北の方もざっくばらんに話すとなかなかいい人が多いということがわかりました。
 翌朝雪はもっと激しくなり、朝一番の飛行機が雪のためなかなか飛ばず2時間遅れとなりました。ところが離陸後10分、仙台上空に差し掛かると快晴で、なんとも拍子抜けでした。羽田付近からは、富士山がくっきりと見えました。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。