アメリカに出張に行ってきました。今回の出張の目的は制作中のDVD「世界のエジプトコレクション」のアーカイブでした。すでに、ヨーロッパでは大英博、ルーブル美術館、ベルリン・エジプト博、ライデン博の4つをアーカイブしましたし、エジプトではカイロ博とアスワンのヌビア博を済ませまして、あとはアレキサンドリアとルクソールの博物館を撮影する予定です。
 今回アメリカでは、ニューヨークのメトロポリタン美術館、ブルックリンミュージアム、ボストン美術館の3つの博物館に行きましたが、ニューヨークとボストンで街の雰囲気がまったく違うのに驚きました。
 アメリカは周遊するにはとても素敵な国なのですが、今回のニューヨークには少々がっかりしました。街全体が以前より汚くなっていますし、物価の上がり方が異常です。人々も愛想がなくギスギスしています。通りを歩いていてもよくぶつかりますし、歩きタバコも多く、ゴミが散らかっています。特に交通混雑が激しく、信号を守らない車、人が多いのです。
 タクシーの運転手がぶつぶつ言っていましたが、それはほとんど携帯電話で友人と愚痴をこぼしているのでした。前を見ていてもうつろに違いなく、とても危険です。携帯で話していない時はニューヨークの悪口を私に言ってくるのですが、後ろを向いて話されるのでこれも危なかったです。
 それにしても、ニューヨークのタクシーの運転手さんにはいろいろな国の人がいます。白人、黒人、インド人、イラン人、エジプト人、シリア人、メキシコ人。ともかくいろいろな人がいることがわかります。
 たまたま私が泊まっていたホテルでは、クリントン前大統領夫妻が政治資金集めのパーティーを4日間(どうも国連総会にぶつけたらしいのです)をやっていました。そのせいでホテルが面する7th アベニューは交通麻痺になっており、その前の56番とか58番で車を降ろされてしまってホテルまで徒歩で行かなければならないという状態でした。まったく「オー!テリブル!(悲惨)」で終わったニューヨークでした。
 しかし、ボストンは違いました。街は静か、きれい、人々は整然と歩いていて、何か尋ねても親切。物価も安い。夕食はニューヨークに比べ2分の1か3分の1でした。街自体がそれほど大きくないせいかタクシーは少ないのですが、ニューヨークでは私たち5名で2台のタクシーが必要だったのに、ボストンではホテルのドアマンが5人が乗れる車を探してくれました。滞在中はその後も毎日その車をお願いしたのですが、車内の音楽はクラシック、夕食終了の10分前にはレストランの前に待っていてくれ、超過手当てなしです。当然チップを余計に払いたくなりました。日本に来たいと言っていましたので、「いやボストンのほうが10倍いいですよ。」と答えてました。これ以上深入りすると身元引受人になってしまいますので、帰りの空港行きは違うタクシーでお願いしました。
 ボストンでは違うタクシーにも乗りましたが、その運転手さんはとても陽気な人で、私が日本人とわかると突然楽器を取り出して「さくらさくら」とか「上を向いて歩こう」を演奏するのでした。時々後ろを向いてやるもので、私も心配で「すいません、前を向いて下さい」と言うと、「心配しなさんな。この道は60年走っているから見ないでもわかるんだ。」などと言って止めません。それでもどうにかホテルに着いたところで、一曲アメリカ合衆国国歌を演奏し始めました。ホテルのドアマンも一緒になってハミングしているのには感動しました。

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アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。