エジプト情勢

1月に入ってから、エジプトに行ったり、講演、お祭り、テレビ収録、CM撮影など忙しく、ブログを書く余裕がなく、ご無沙汰しておりました。
   そして、再び1月末から始まるエジプトの調査、アブシール南丘陵遺跡発掘というときに、エジプトが大混乱に陥ってしまいました。チュニジアの政変がエジプトに飛び火しての大騒乱ということですが、やはりここ10年、特にここ2、3年の物価の急上昇は、私たちの調査にも大きく影響を与えていました。調査隊の現地スタッフの給料や日当の上昇は、調査費に大きく影響を与え、日数を少なくしたり、隊員の数を減らさざるを得なくなったのです。
   ですから、この機会に貧しい人たちは一気に爆発したのでしょう。デモ隊を率いている人たちも、デモ隊を取り締まる治安警察や軍隊も、前線でぶつかり合うのは両者とも貧しい人たちです。そういう人たちがケガをしたり死んでいくのですから、やり切れません。そんな中で、デモ隊の背景に宗教団体やテロ組織がいて、取り締まり側の裏に秘密警察がいるという噂が先行して、中がぐちゃぐちゃになってスパイラル的に事だけが大きくなっているようです。こうしたものは、時が経たないと両者とも冷静になれないのですから、まだまだ時間が必要でしょう。
   今、ムバラク大統領が辞任したら、ポストムバラク争いでもっと深刻になると大統領は思っているようですが、逆の見方、ムバラク大統領が辞めると闘う相手がいなくなり、目標を失ったデモ隊は崩壊するという見方もあります。また、この騒動はCIAとイスラエルのモサドが仕掛けたものだと、まことしやかにテレビなどで言い切っているジャーナリストがいるそうです。
   今後の見直しは不透明ですが、デモ隊もこのままでは身体がもたないはずですから、アラブ圏のどこかの国が仲裁に入って、暫定政権が出す条件によってはデモ隊も引かざるを得ないでしょう。さもないと、軍によるクーデターが起きる可能性が出てきます。
   私たちは文化的な仕事をしていますので、ただただ情勢を見守るしかないのです。
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