古代エジプトの食:食べ物をめぐる暮らし―家畜

1.ウシの数を数える

カイロ・エジプト博物館蔵

牛の模型/カイロ・エジプト博物館蔵

大きなウシの群は、大土地所有者の基本資産だった。

主人メケトラーが息子と一緒に4本の柱のある小屋の中で、自分のウシの群が通り過ぎていくのを見ている光景である。これは、課税のためのウシの頭数調査で、4人の書記が忙しそうに記録をとっている。ウシ飼いたちは、書記が記録をとりやすいように、ウシを一列に進ませるように追い立てている。

2.ウシをほふる

ウシの屠殺の壁画

ウシの屠殺の壁画

ウシをほふる作業は、強靭な4、5名の男たちによって行われた。

ウシが連れてこられると、男たちはまず左前脚にロープをかけ、ロープの端をウシの背中に回す。次に、別の1人が背中に回されたロープを思いきり引く。脚を引かれてバランスを崩したウシはすぐさま押さえられ、一番強そうな男がウシの首をつかんで後ろに引いた。

身動きできないままウシは地面に倒れ、即座にロープのついた前脚が2本の後ろ脚とともに縛り付けられた。男は全身の力をこめてウシの頭を後ろにひねり、地面に押しつけて静止させ、ウシの喉を切った。

3.トリの下ごしらえをする

ナクト墓/ルクソール西岸

ナクト墓/ルクソール西岸

沼地で網を使い、一度にたくさんのトリを捕らえる。捕らえたトリの羽をむしり、はらわたを抜き、きれいに洗って干し、調理を待つばかりの状態にしている。

他の墓の壁画には、トリを火であぶっている場面もあり、真っ赤に燃えた炭の上の大きな平鍋を前に、男が膝をついている図がある。彼は、右手にカモをのせた長い焼き網を持ち、左手にはあぶり焼きの臭いに誘われてきたハエを追い払うためか、火を燃え立たせようとしてか、大きなうちわを持ってあおいでいる様子が描かれている。

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