古代エジプトの食:食べ物をめぐる暮らし―酒造り

1.ビールを造る

ビール造りの模型(墓の副葬品)

ビール造りの模型(墓の副葬品)

麦芽パンあるいはビールパンと呼ばれるオオムギの粉を、こねて焼いて作ったパンを、細かくちぎって水に浸し、自然醗酵させてつくったもので、現代のように、オオムギの麦芽にホップを混ぜて醗酵させたものとは異なる。

どろどろになったものをしばらく置くと、醗酵してアルコール分と炭酸ガスを含んだ汁になるが、それを布やふるいで漉す。漉した液を容器に入れ、封をして冷暗所に置き、もう一度醗酵させる。これをさらに漉すと、ビールができあがる。

ビールは、神々や死者への供物とされただけでなく、庶民の日常的な飲み物でもあった。

2.ワインを造る

ナクト墓/ルクソール西岸

ナクト墓/ルクソール西岸

まず、ブドウ棚からたわわに実ったブドウを摘み取る。そして、バスタブほどの大きな容器の中で、皮付きのままのブドウの実を男たちが裸足で踏み搾る。体のバランスを崩して倒れたりしないよう、木枠から垂れ下がった縄につかまっていた。

搾りだされた果汁は木や、金属の管で桶の下の容器に集められる。それを壺型容器(アンフォーラ)へ入れ、粘土で封をして自然醗酵させてねかせる。

できあがったワインは、庶民にはなかなか手の届かない贅沢な飲み物で、王や貴族、神々への捧げ物とされた。

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