生前に骨壺を作るのがトレンドになりつつあります

日本の葬送の方法は火葬が一般的ですので、骨壺は不可欠です。骨壺は、通常、死に関わるものとして見た目が地味なものが大半です。もちろん骨壺も、地域によって大きさや形が違うのだそうですが、素焼きに近い感じのものが多いですし、それを遺族が用意することはまずなく、葬儀屋さんが用意する形でした。しかしここ数年、お墓も生前自分の好みに合わせて造るデザイン墓、生前墓が盛んになり、そうしたお墓を奨励している霊園もぼつぼつ出てきています。それと連動して、骨壺も生前に作っておいて、自分の寝室や仏壇の下の納戸にしまっておく人がぼつぼつ出てきているそうです。伊万里焼や有田焼の陶器屋さんとか窯元にも、月何十個と注文がきているそうです。
古代エジプトから、墓はこの世からあの世に行く一里塚と考えられ、重要なポイントでした。すなわち、あの世へ行くための「家」だったわけです。ですから、そこに自分の死体をミイラにして納め、1年に1回の墓参りの日に、あの世から魂となった自分が戻ると考えたわけです。墓が「家」であるなら、ミイラを入れておく棺は「部屋」です。お棺の材質は木が多かったのですが、陶製のもの、金属製のものと、いろいろありました。
現在の日本でそのことを応用してみますと、お墓を自分でデザインしたり、お骨を入れる壺を自分の好みで作るというのは、当然のことだと言えます。私は、全国優良石材店の会「全優石」のイメージキャラクターをしていますので、全国のお墓造りの石屋さんに講演をしたり、お話をしたりする機会が多くありますが、皆さんもこのことは真剣に考えているようです。
そこで私は、伊万里焼で、その生前骨壺(私は生前壺と名付けています)の制作を始めました。デザインの基本はピラミッドで、そこから魂が出てあの世に行くというイメージを絵にしています。人はいつ死ぬかわかりません。しかし、自分の寝室に、死んだら入る部屋としての、自分の魂の出所、戻り所としての骨壺を置き、それをじっと見ていると心が澄むと信じて作陶しています。色も形もユニークなもの、自分らしさが出るとすてきだと思っています。

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