今回の内閣改造をどう見たらよいのでしょうか

1月14日に菅首相は内閣改造を行いました。マスメディアや評論家の間では、「小規模だ」とか、「参院で問責決議案が可決された大臣の出席する会議に出ないという野党の要求に屈した」とか、「首相の言うことを聞かない閣僚や、評判の悪い人を排除しただけだ」とか、「以前から民主党批判の先鋒である与謝野氏を内閣に入れるのはおかしい」、といった非難が起きています。しかし、待てよ、そんな見方をメディアで見識があると言われている人に、お決まりの評論でガス抜きをさせているのではないか、という疑いを私は持ったのです。民主主義ですから、誰でも何でも言うのは自由ですが、とかく人間は、言うだけ言うと、特に正義風なことや怒ることなど、すっきりしてそのまま終わってしまうのです。権力者は、その間首をすくめていれば思うようになってしまう現代民主主義の欠点であることを忘れています。
私が考えるところ、今回の内閣改造の目的は、民主党の掲げた前回選挙のとき打ち出したマニフェストを大幅に改造することだと思います。いや、改造というより破棄に近い形にするのではないでしょうか。その柱は増税です。消費税をはじめ、法人税以外は全て増税となるでしょう。それと、バラマキと思われる子ども手当て、農家の個別補償などもなくなるでしょう。それらの政策は、全て小沢氏主導によって作られたから、変えるということより、脱官僚ができず、政治家主導は形だけになり、官僚国家に戻ったということでしょう。そのシンボルが与謝野氏の大臣就任ですし、一旦身を引いたと思っていた藤井氏の復帰でしょう。実際、民主党の国家運営はギクシャクしています。長らく野党暮らしで政権与党にはじめてなったので、慣れないからだ、と同情する向きもありますが、国家運営を、慣らし運転とか仮免許運転が許されてはいけないと思います。
今日本は、国内よりも国際的に崖っぷちに立っています。雇用の問題が大きく言われていますが、世界を見ますと、日本よりひどい状態の国は、多いというより大半がその問題を抱え苦しんでいます。もちろん、解決の方向は探るべきだと思いますが、難しいでしょう。社会の上層にいる人は、口では「若者に雇用を」とか、「リストラされた人に再就職を」と唱えていますが、世の中選り好みしなければ、雇用の口はまだまだあります。求人がないのではなく、求職者の望む働き口がない、という甘えの構造もきちんと見ておくべきでしょう。
その他、年金問題、科学技術を進める研究費の問題、少子化における高等教育の問題、福祉介護の問題、子ども手当てか保育所増設か、といった少子化を抑える政策実行の問題など、様々なことを抱えての予算編成が山場でしょう。
このままでいけば、たとえ強行採決を衆議院で通しても、参議院でさんざん各委員会での出席拒否の上、強行採決しても否決され、衆議院で差し戻され、3分の2で強行突破しようとしたとき小沢氏はどう出るか。小沢氏を民主党から追い出すような今の動きをしている民主党主流派は、その時リベンジされるのでしょう。あえなく予算案は通らず、菅内閣は総辞職し、選挙管理内閣を作るため暫定的な首相となり、解散・総選挙となると考えられます。しかし予断は許されません。
なのにどうして菅首相一派は、ああまでして小沢氏を潰そうとしているのか。国民は、小沢氏の睦山会の説明よりそっちの方が聞きたいのではないでしょうか。菅氏が小沢氏を感情的に嫌っているとか、野党に対してのポーズだとか、クリーンな政治を目指しているとか、色々言われていますが、私は、増税か税収を上げる経済発展路線かの政策をめぐる考え方の違いからきているのではないかと思っています。ですから、見た目は、池の鯉の餌の取りっこ争いに見えますが、きっと、菅氏か小沢氏のどちらが勝つかは、国家としては大切なことだと思うのです。どちらが勝つかは、時の運も含めてわからないと思うのです。
ただ、これだけは言えます。外から見ていると大金持ちで、預貯金がたくさんあると思っていた日本という家計は、借金だらけで救い難く、多少の経費節約ではだめで、10年も経たずに破産することが民主党にやっとわかったということなのでしょう。あれだけ金はあると言っていた民主党でしたから、一度やってもらってだめならまた変えればいいと思った国民の考えが、やはり一番現実的だということなのではないでしょうか。

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