祭り人

私が「ダイドードリンコ日本の祭り軍団」に参加して7年目になりました。このプロジェクト自身は8年目を迎えました。
日本の地方文化を支えている伝統的なものは、祭りです。物の「地産地消」は根付いてきました。これは、目に見える、手に取れる、味わえるなど、わかりやすいからでしょう。しかし、文化の「地産地消」も大切なのです。土地土地の文化は、それなりに根付き、その土地の人々の心に深く入り、誇れるものですが、それが祭りという抽象的な表現でしか表されず、広く全国的な一体感が熟成されないでいました。
それに気付き、リノベーションしようと考えたのが、飲料メーカーのダイドードリンコ株式会社(髙松富博社長)でした。それを仕掛けたのが、当時、株式会社博報堂にいた苦田秀雄氏(現サイバー大学客員教授)でした。苦田氏は、私と今から45年前、いっしょにエジプトに行った仲間でした。その縁で、私に声をかけてくださったのです。
私は、古代エジプト文明研究が本業ですが、エジプトを知るためにはエジプトだけをやっていてはだめだという考えを早くから持っていて、まず近隣の国、ギリシア、レバノン、トルコ、シリア、イラン、イラク、ヨルダン、イタリア、ブルガリア、リビア、チュニジア、南ヨーロッパ、オリエント、北アフリカと、なんと地球上180カ国も回ってしまいました。ほとんどがテレビ取材のアシスタントで、雑誌や新聞の仕事のときもありました。ともかく、回れば回るほど色々なことが比較でき、比較文明、比較文化という学問領域に入ることとなったのです。
その中で、古今東西人々が共通して行なっているのが祭りであることに気付き、祭りの中にある、地域文化の特色、生活環境とその変遷、そして伝統、宗教性と、そのファクターの多さと多様性に驚いたのです。
そんなとき、日本の祭り軍団に参加できるということで、心踊りました。どこの祭りも、その祭り人の情熱とプライド、集中力、金に糸目をつけない度量、すべて気に入りました。祭り人にとっては、自分のお祭りと他の祭りの比較など、とんでもないどころか、他の祭りは祭りでないと思っているのです。地球上に祭りはひとつ、自分のところのものだけです。ですから、ジャーナリスト以外「他の祭りはどうですか」とは聞かれません。それどころか「どうですかこの祭り」とさえも聞かれません。唯我独尊というわけです。それは、とても美しくうらやましいです。
中に入れてもらいましたが、分け隔てなく入れてくださいます。「日本の祭り」に入れてもらってよかったとしみじみ思っています。これもご縁です。

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