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今回エジプトに行って感じた変化は、エジプトの観光です。2か月ほど前は、ギザの様子は悲惨で、ゴーストタウンのようでした。サッカラもしかり、ルクソールもそうでした。しかし、今回は遺跡はにぎわっていました。

ホテルは相変わらず閑散としていて、朝食会場も客は3,4組しかいません。市内のレストランもほとんどが休んでいて、観光バスもガレージに入ったまま走っていません。なのに、です。ギザのクフ王のピラミッド、スフィンクスなどには人がごった返しているのです。

そのほとんどはエジプト人なんです。入場料も外国人観光客の20分の1とか30分の1、子供は無料とは言え、1,000人、2,000人がいるというのは驚きです。学校は休みですから、教師がついての訪問ではなく、友達や家族、町内会のツアーなんです。見方によればエジプトもようやく国内旅行が盛んになったとも言えますが、異様な盛り上がりです。

ギザでは皆、ピラミッドは見ることもなく、馬や馬車、ラクダに乗り、走り回っているのです。何の乗り物もない遊園地のようです。子供を連れた親やおじいちゃんおばあちゃんの群れもいくつも見ました。そしてシートを敷き、そこでサンドイッチや飲み物を囲んで踊ったり歌ったりしているのです。日本の花見のような風景です。楽しそうで、国が難しい状況にあることはそこでは全く見ることができません。

市中の交通もそうです。前回のエジプト訪問のときは、走っている車もほとんどなく、すいすいと走れたのに今回は違いました。値上がりしたとはいえ、1リッター30円くらいのガソリン代ですから払えるのでしょう。トラックは少ないですが自家用車が多かったです。しかも、ほとんどが起亜や現代といった韓国製の車です。ギザとカイロ市内は約20キロくらいですが、通常20分で行けるのに今は1時間か1時間半かかります。高速を使ってもです。一体どうなっているのでしょう。

次に、今の政府に不満を言っている人は100%ですが、シシ氏が大統領になったら全てよくなると言った期待がすごく強いです。シシ氏がどのくらい政治的にうまくやれるか未知数ですが、その期待が高いだけに反動がすごいのではないかと思います。しかし、政府の効果が出るのには最低1年か2年はかかると思いますが、その間エジプト人が待てるかが問題です。自力でなく他力でやってきた人々ですからどうなるか心配です。

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カテゴリー: Daily作治

アケトスタッフ

吉村作治のエジプトピアを運営する株式会社アケトのスタッフです。