カテゴリー別アーカイブ: 古代エジプトの至宝


ラムセス2世のミイラ

ラムセス2世のミイラ

ラムセス2世のミイラ

王墓からは、3台の儀式用寝台が発見された。それぞれ、3人の神を象徴する動物の胴体を引き伸ばした格好になっている。

葬儀の際、遺体は3つの寝台を用いて埋葬の準備をほどこされた。死者は、3人の神と接触することによって、再生の機会が保証されるのである。

雄ライオンをかたどったメヘト女神は、ナイル川の定期的な氾濫を、アメミトを表したカバ、ヒョウ、ワニの合体動物は、太陽の永遠の再生を保証し、若い雌牛の姿のメヘトウェレト女神は、原初の海からの誕生を保証した。このメヘト女神の姿の寝台には、葬祭の様子をあらわす絵が数多く描かれている。

アメンエムハト3世のピラミディオン

アメンエムハト3世のピラミディオン

アメンエムハト3世のピラミディオン

これは、アメンエムハト3世が彼の治世の初期の頃にダハシュールに建造したピラミッドのピラミディオンである。カイロ博物館に所蔵されている中王国時代のピラミディオンの中でも、特に壮観なものといわれている。

ピラミッドを縮小した形で、高さは1.3メートル。精巧な彫刻が施され、磨かれた化粧石でできていた。

東を向く面にある巨大な目は、碑文に記されているように、夜明けに太陽の光がピラミディオンを照らすとき、太陽神ラーの美しさを「じっと見つめる」ためのものであった。

ジョセル王座像

ジョセル王座像

ジョセル王座像

この座像は、高い背もたれの玉座に堂々と腰掛けたジョセル王の姿を表している。

台座の正面には、ネチェルケト王の名前と称号が刻まれている。ネチェルケト王とはジョセル王と同一人物で、「ジョセル王」の名は当時の碑文には見られず、後年の文書のみに記述されている。

等身大としてはエジプト最古の例であるこの像は、ジョセル王のピラミッド・コンプレックスのセルダブ(彫像安置室)で発見された。現在、そこには石灰岩製の複製が置かれ、実物はカイロ博物館に展示されている。

王女像の頭部

王女像の頭部

王女像の頭部

この石像の頭部は、アクエンアテン王(アメンヘテプ4世)とネフェルティティ王妃との間に生まれた6人の王女のひとりの像であるが、おそらく長女メリトアテンであると考えられている。

これは、1912年にドイツ隊によって、テル・アル=アマルナのトトメスの工房で発見されたものである。

いわゆるアマルナ美術の特徴を持った彫像で、頭部が細長く後方に伸びており、耳や目、口が大きくデフォルメされている。顔の表情は、母后であるネフェルティティと似ており、同王妃の特徴が顕著に表されているといえよう。

ホルス神像頭部

ホルス神像頭部

ホルス神像頭部

ヒエラコンポリスのホルス神殿第1の間の下から出土した。黄金を打ち出して作ったこの見事なハヤブサの頭部は、ホルス神を表している。

目に用いたのは1本の棒状の黒曜石で、それを頭の内部に貫通させ、その両端で目を表している。この細工が功を奏し、鋭く深い眼差しは本物の鳥とそっくりである。そのため、目に見えない脅威がひそむ張り詰めた空気が感じられる。

頭の頂には、聖蛇ウラエウスの冠帯と、2枚のすかし彫りの羽をつけている。

ハトシェプスト女王像頭部

ハトシェプスト女王像頭部

ハトシェプスト女王像頭部

これは、ディール・アル=バハリにある、女王の葬祭殿第3テラスの柱廊を飾る、オシリス神のひとつに冠していたものと思われる。

この頭部には、ハトシェプスト女王の彫像に共通する様式上の特徴がいくつか見うけられる。例外的な特徴は、褐色の肌である。これは通常、男性を表す肌の色であるが、この場合は、女王がオシリス様式の柱にファラオとして表現されているという理由によって正当化される。青く彩色されたあごの付け髭は、「王」の神性を強調している。

カーアペルの像

カーアペルの像1

カーアペルの像1

この彫像は、「シェイク・アル=バラード」(アラビア語で「村長」の意)として広く知られている。マリエットの作業員が、像の容貌が自分たちの村長に似ていると、発見時につけた名前である。実際は、朗唱神官を表した像で、神官の実名はカーアペルという。
この神官は左足を前に出しているのだが、従来のエジプトの像と違い、前足に重心をかけ、後ろの足で動きを表している。
この像は古王国時代の作品の中で最も頻繁に紹介され、高く評価されているもののひとつである。

カーアペルの像2

カーアペルの像2

ナルメル王のパレット

ナルメル王のパレット

ナルメル王のパレット

ナルメル王のパレットは、ヒエラコンポリスのホルス神殿の発掘調査中に発見された奉納品のひとつである。
エジプト神話で、ホルスの目は太陽の化身とされたことから、このパレットは、魔術の力で神の目を守るために奉納されたとも考えられる。
パレットでクジャク石や方鉛鉱を砕いて作ったアイシャドーは、太陽の強い日差しから目を守り、視力を保つ力があると考えられていた。
両面のレリーフには、王による国家統一を描いている。

ツタンカーメン王の黄金の玉座

ツタンカーメン王の黄金の玉座

ツタンカーメン王の黄金の玉座

背もたれの装飾には、円盤で表現された太陽神アテン神の光線が小さな手となり、若い王と王妃アンケセナーメンに生命を与える場面が表される。アテン信仰は、アクエンアテン王の時代に急速に広まった宗教であることから、この作品がその後の反宗教改革の動きがおこるより前に作られたことがわかる。

王は玉座でくつろぎ、左手に香油の入った杯状の容器をもった王妃が夫の左肩に香油をぬっている。玉座の肘掛の左右には、冠をかぶった有翼のヘビがツタンカーメン王のカルトゥーシュをかかげている。ライオンの脚部を模した玉座の足は、それぞれ上・下エジプトの統一を象徴する紋章のモチーフでつなげられている。

彩画箱

彩画箱

彩画箱

エジプト絵画の伝統的な主題である、王の戦闘や狩猟の場面を描いている。

箱の長い側面には、チャリオットに乗ったツタンカーメン王が、逃げまどう敵に向かって矢を放っている。この王の姿は秩序を保証する統治者をあらわし、奔走する敵の群れは混乱をあらわす。

短い側面では、スフィンクスの姿であらわされた王が、北方と南方の敵を踏みつけている。

ふたにはライオン、アンテロープ、ガゼル、ハイエナ、野生ザル、ダチョウ、といった野生動物が敵として表現されている。

このような小画面の絵画は比較的少なく、重要な作品である。